「虫歯を治したいけど痛い歯科治療が苦手」と悩んでいませんか?
歯科治療の痛みは虫歯の進行度によって異なります。苦手意識が強い方にこそ、早期発見・早期治療が向いているといえるでしょう。
こちらのページでは、虫歯治療と痛みの関係について分かりやすくまとめました。現在虫歯に悩んでいる方はもちろん自覚症状がない方も、ぜひご参考ください。
虫歯治療は進行度によって「治療の受けやすさ」に差がある
虫歯治療は軽度であれば痛みを感じる可能性が低く、1日で終わるケースがほとんどです。進行度別にどのような治療内容になるのかをくわしくみていきましょう。
C1(エナメル質う蝕)
C1は、歯の表面にあるエナメル質内に虫歯がある状態を指します。
エナメル質は、硬く虫歯の進行スピードが遅めです。神経のある歯髄(しずい)と最も離れている組織であるため、虫歯になっても痛みを感じにくいのが特徴です。
C1の治療法としては、保険適用の白い詰め物のCR充填(シーアール)が一般的で、歯を削った当日に治療が終了します。通院回数は1回で、基本的に麻酔は必要ありません。
C2(象牙質う蝕)
C2は、エナメル質の奥にある象牙質まで虫歯が進行した状態を指します。象牙質はエナメル質にくらべて柔らかく、虫歯が広がりやすいのが特徴です。また、歯髄につながる細い管が無数に存在するため、C2から「冷たいものがしみる」「ときどき痛む」という症状がでます。
C2でも軽度であれば麻酔無しでCR充填が可能ですが、中等度~重度の場合は型取りをして銀歯やCRではない白い詰め物をする必要があります。その場合、歯を削った当日に型取りを行い、その約一週間後にできあがった詰め物をセットして終了となるため、通院回数は2回で進行具合によっては麻酔が必要です。
C3(歯髄まで進んだ状態)
C3は、象牙質のさらに奥にある歯髄にまで虫歯が進行した状態を指します。症状として「激しい痛み」「何もしなくても続く痛み」が挙げられ、痛み止めが効かないケースも珍しくありません。
C3の治療法としては、麻酔をして歯の神経を抜く根管治療を行います。根管治療が終わるまでに3~6回の通院が必要で、そのあと土台の型取りをして約一週間後にセット、さらに最終的な被せ物の型取りをして約一週間後にセットを行います。通院回数は7~10回で、数か月かかる可能性もゼロではありません。
C4(歯冠の形がほとんどない状態)
C4は、歯髄が壊死(機能していない状態)して、かつ歯冠(歯の頭の部分)がほとんど虫歯で溶かされている状態を指します。
歯髄が壊死していることで強い痛みを感じるケースは少ないですが、歯が割れていたり、歯根の先に膿がたまる歯根膿胞が発症している可能性が高めです。「歯が浮いたような感じがする」「鈍痛がする」という症状は、歯根膿胞ができているサインであり、自然治癒することはありませんので注意しましょう。
歯根膿胞ができている部位はもともと歯槽骨があった場所で、放置すればそれだけ骨が溶かされて膿胞が大きくなっていきます。できるだけ早めの治療が必要です。
C4の治療法としては、歯がもちそうであれば根管治療、もちそうでなければ抜歯を行います。通院回数は根管治療の場合は7〜10回、抜歯の場合は抜く日と消毒日の2回かかり、根管治療の場合は歯髄が壊死しているため麻酔が必要なく、抜歯のときは必要です。
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初期段階のC0だと麻酔はもちろん歯を削る必要もない
C1よりも前のC0の段階(脱灰状態)であれば、お手入れの改善とフッ素塗布でエナメル質の自然修復が期待できます。麻酔はもちろん歯を削る必要もないため、痛みに弱い方でも安心して受けられるでしょう。しかし、初期虫歯は自覚症状がなく、定期検診でしか見つけることができません。
歯科治療が苦手な方にこそ定期検診は必要
定期検診は、虫歯の早期発見・早期治療に役立ち、クリーニングも行うためリスク低下だけでなく清潔感の維持にも効果的です。クリーニングの痛みは歯ぐきの腫れや汚れの多さによって差があるため、健康な状態で受けておくことをおすすめします。
歯を失いたくない方はもちろん、歯科治療が苦手な方も積極的に検診を受けて、ぜひ習慣化してください。
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