セラミックとは
セラミックとは陶器の材料となるもののことで、歯科治療用素材の一つ。審美性、機能性、耐久性など、他の 歯科治療用素材(金属やプラスチックなど)と比べ、あらゆる面で優れた歯科治療用素材です。
①透明感のある自然な白さを実現可能
セラミックは審美性の高い素材です。 ただ白いだけでなく、天然歯のような透明感を再現できるのが特徴です。 セラミックは天然歯と同様に、光を通します。そのため、天然歯と並んでも違和感がない自然な白さを実現できるのです。
また、まわりの歯に合わせて色味や形を調節できるのもセラミックの優れている点です。 歯の色や形は一人ひとり違います。ただ白ければいいというわけではありません。ひとことにセラミックといっても種類は数多くありますので、その中からご自身の歯に近いものをお選びいただけます。 色同様に、大きさや形も調整しながら、どの部分を治療したかわからないほど周囲に馴染む歯に仕上げます。
②長時間使用しても変色せず美しい歯を保てる
セラミックは、お皿などの陶器に使用される素材です。水分を吸収することもなく、熱によって変形することもありません。高温多湿なお口の中でも、成分が溶け出すようなことはありません。 長期間、使用しても変色することなく、白さをキープできるのはセラミックの優れている点です。
一方、金属やプラスチックは、時間の経過とともに劣化し、変色するケースが多く見られます。 お口の中にある金属は、だ液などの水分で錆びて黒ずんでいきます。プラスチックは食べ物などの色素を吸収しやすいため、徐々に黄色く変化していくのです。
変色も変形もしにくいセラミックは耐久性の高い素材といえます。 お口の状態やお手入れの仕方によってセラミックの寿命は変わります。長くご使用いただくためには適切なメンテナンスが欠かせません。
③細菌が付着しにくく衛生的で虫歯が再発しにくい
セラミックは表面がツルツルしているので、汚れやプラークが付きにくく衛生面でも優れています。
一方、金属やプラスチックは表面が粗く、小さな凹凸があるため汚れや色素が付着しやすくなります。磨き残しは歯垢から歯石へと変わり、虫歯や歯周病の原因となります。
また、他の素材と比較して、虫歯の再発が起こりにくいというのもメリットの1つです。虫歯になると、感染部分を削り、詰め物や被せ物をして穴をふさぐのが一般的な治療法です。
治療後は、虫歯が再発しないように気を付けなければいけません。 修復物と歯の間にあるわずかなすき間に汚れがたまり、虫歯が再発するケースがよくみられます。プラスチックや金属製の修復物は経年劣化するため、徐々にすき間が広がり、虫歯が再発するリスクが高くなるのです。
セラミックの修復物は、精密に型取りし歯にぴったり合うように製作されます。装着時には特殊な接着剤を使って、歯と一体化させますので、すき間はほとんどできません。経年劣化もしませんので、すき間が広がることもありません。 セラミックは虫歯の発生だけでなく、再発を防ぐ効果もある素材です。
④錆びたり、アレルギーがなく歯肉に色がつかない
セラミックは生体親和性が高く、身体にやさしい素材といわれています。 金属を使わないので、金属アレルギーをお持ちの方にも安心して使っていただけます。
金属アレルギーは、金属が水分に触れてイオン化し、体内のタンパク質と結びつくことで発生します。お口の中には、常にだ液などの水分がありますので、金属はさびやすく、アレルギーを起こしやすい状態にあるのです。
金属を使った詰め物や被せ物を長年使っていると、歯ぐきの一部が黒くなることがあります。 お口の中は湿度が高い上に、食べものからの刺激も多く、過酷な環境です。そのため、時間が経つと、金属が錆びてお口の中に溶け出します。溶け出した金属が歯ぐきに浸透し、黒く変色させるのが黒ずみの原因です。
黒ずみを元に戻すためにはレーザー治療などが効果的ですが、原因となっている金属製の修復物や土台を除去し、セラミック製のものに交換することが大切です。
⑤セラミック治療でこんなお悩みを解決できます
- 前歯の形が気になる
- すきっ歯を改善したい
- 口をあけた時に目立つ銀歯をなくしたい
- 金属アレルギーが気になる
- 黄ばんだ歯を白くしたい
- 詰め物や被せ物が変色していて気になる
- 歯ぐきの黒ずみが目立つ
- 歯並びを整えたいけど痛い矯正治療はしたくない
これらのお悩みは、すべてセラミック治療で解決できます。 セラミック治療は気になる部分だけをピンポイントで行うことも可能です。 歯と歯のすき間を埋めたり、歯の形を部分的に改善できます。 目立つ前歯には審美性の高いものを、奥歯には強度を重視した素材を使うなど治療する場所に応じて素材を選べるのもセラミック治療の特徴です。 ご予算やご要望に応じて、お一人おひとりに適した治療計画をご提案します。
⑥原因不明の体調不良は古い銀歯のせいかもしれません
以前は、虫歯の治療を保険診療の範囲内で行うときは銀合金を使うのが当たり前でした。 詰め物や被せ物はもちろん、入れ歯やブリッジ、歯の土台などにも金属が使われていました。保険診療で使われている金属は、お口の中で錆びて溶け出しやすい性質のものが多く、徐々に身体の中に蓄積され、ある日突然アレルギー症状を引き起こすことがあります。
頭痛、肩こり、身体のだるさ、不眠、湿疹、皮膚の炎症やかゆみなど原因不明の体調不良は、溶け出した金属によるものかもしれません。 金属アレルギーは金属を身に着けたり触れたりすることでのみ発症すると思っている方が多く、まさか体調不良の原因がお口の中の金属だとはなかなか気付かないものです。 古い銀歯をセラミックに交換することで、改善されるかもしれませんので、気になる症状がある方は歯科医院にご相談ください。
7 歯科医師がセラミック治療をおすすめする理由
歯科医師がセラミック治療をおすすめする理由は、見た目の美しさはもちろんですが、機能面で優れている素材だからです。 保険適用外の素材ですので、どうしても費用はかかってしまいますが、長期的に見ると、じつはコストパフォーマンスの良い素材なのです。
セラミックを使用することは、虫歯の再発予防に効果があります。虫歯になる度に被せ物を取って、さらに歯を削り、また被せ物をする。そんなことを繰り返しているうちに歯はどんどんやせ細り、最終的に歯を失うことになります。 歯を失うと、入れ歯やインプラントで補うことになります。度重なる虫歯の治療費と義歯装着にかかる費用の方が高くなる可能性があるのです。 一度失った歯は元には戻りません。どんなにすぐれた人工歯でも、ご自身の歯にかなうものはないのです。ご自身の歯を一本でも多く残すためには、虫歯にならない、再発しない素材を選ぶことが大切です。 また、セラミックは天然歯と同じくらいの硬さで製作されているので、摩耗に強く、噛み合う歯を傷つけません。ご自身の大切な歯を守るためにも、セラミック治療をおすすめしています。
セラミック治療は、お口の中だけでなく、身体全体の健康面でもメリットの多い治療です。 もちろんデメリットといわれる点も。お皿を落としたら割れてしまうように、非常に強い力がかかると割れたり破損したりすることもあります。激しい歯ぎしりが習慣になっている方や食いしばりの力が強い方には、セラミック以外の治療をおすすめすることもあります。 メリットだけでなくデメリットも丁寧にご説明しますので、セラミック治療に興味のある方は当院までお越しください。