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院長コラム

リグロスを使って骨再生!歯周組織再生療法の流れと注意点について解説

歯を支える歯槽骨が減ってしまうと、戻すためには歯周外科治療を受けなくてはいけません。その治療で使用される材料の一つに「リグロス」が挙げられます。
今回は、リグロスを用いた歯周治療の手順と注意点についてもわかりやすくまとめました。ぜひご参考ください。

歯周外科で使用するリグロスとは?

リグロスは、タンパク質である「bFGF」を主成分とした歯周組織再生剤で、主に歯周病治療に使用されます。中度〜重度の歯周病を対象としており、歯ぐきを切開して歯槽骨が失われた部分にリグロスを注入し、組織再生を図ります。
昔は自費診療でしたが、2016年9月からリグロスによる歯周組織再生療法は保険適用の対象となりました。

リグロスを用いた歯周外科の手順

歯と歯ぐきの境目には歯肉溝(しにくこう)とよばれる溝がもともと存在しますが、歯周病が進行すると歯周ポケットとよばれる深い溝になります。歯周ポケットが深いと歯石除去をする道具がうまく汚れに届かなくなってしまうため、歯周基本治療では効果を感じられない(歯周ポケットが減少しない)ケースも多くなります。その場合におこなわれるのが、麻酔をして歯ぐきを切開し、徹底的に汚れを除去する歯周外科手術です。

①麻酔をして歯ぐきを切開

麻酔がしっかり効いていることを確認して、歯周ポケットが深くなった部位の歯ぐきを切開します。

②歯垢や歯石を徹底的に除去

歯ぐきを専用の器具で広げて、歯の根っこに付着している歯垢や歯石などを徹底的に除去します。麻酔が効いているため痛みはありません。

③リグロスを注入

歯槽骨が減った部分に、リグロスを注入します。

④歯ぐきを閉じる(縫合)

広げた歯ぐきをもとに戻して、縫合したら終了です。
手術から2週間後に抜糸をおこないます。

リグロスの適応症と禁忌症

リグロスは大変便利な材料ですが、すべての方が受けられる処置ではありません。
スムーズな治療にするためにも、適応症と禁忌症を正確に把握しておきましょう。

適応症(治療を受けられるケース)

歯周病の基本治療がお済みの方

リグロスは、歯垢や歯石などの汚れが付着した状態では効果を十分に発揮できません。そのため、先に歯周病の基本治療を受けていただき、その後に歯周外科に移る必要があります。
基本治療が済んでいない方への治療はできかねますので、ご了承ください。

歯槽骨が部分的に縦の方向に減っている方

リグロスを用いた治療は、一部の歯槽骨が縦方向に減っている場合に有効です。歯周病は、重度になると歯槽骨の一部ではなく全体が減ってしまう病気であるため、状態によっては対象外となる可能性もゼロではありません。
歯周外科をすすめられた際は、できるだけ早めの決断をおすすめします。

非喫煙者の方

喫煙習慣があるとリグロスの効果が得られにくいため、その点をご理解いただけない場合は治療をおこなうことができません。
治療をおこなった後の歯ぐきの治りをよくするためにも、禁煙をご検討ください。

禁忌症(治療が受けられないケース)

口腔がんと診断された経験のある方

組織再生の効果は、かならずしも正常な細胞だけに作用するとは限りません。そのため、お口の中に口腔がんの既往のある方へは行うことができません。

「骨が少ない」と診断されたらリグロスを用いた歯周外科をご検討ください

歯槽骨の骨が減ってしまうと歯ぐきが下がり審美性が悪くなるだけでなく、ご自身でのケアが難しくなり歯周病が進行してしまう恐れがあります。手術に抵抗がある方も多いと思いますが、再生が可能な段階で対処しておくほうが満足のいく治療につながるといえます。

リグロスは保険が適用される治療であるため、経済的な負担はそこまでありません。歯周病治療で歯槽骨が少ないと診断された方は、ぜひご検討ください。

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