「歯周病」という言葉は知っているけれど、どんな病気かわからないという方はたくさんいらっしゃいます。当院では、歯周病に関してしっかりと知っていただくことが、歯周病治療のファーストステップだと考えており、時間をかけて丁寧に説明させていただいております。ここではその一部を簡単に説明します。

歯周病とはこんな病気です

歯周病治療の流れ

  • 1.歯周病の検査

    レントゲン撮影の画像

    レントゲン写真を撮ることで、直接目では見ることのできない部分の状況を知ることができます。 歯周病は、歯ぐきの内側の見えない部分で進行して、骨が溶かされ減少する病気です。 そのためレントゲン写真を撮って、歯を支える骨の状態を把握することが必ず必要です。 歯周病が進行すると、歯を支える骨を溶かしてしまうのですが、レントゲン写真にはその骨の高さ等が写りますので、現在の骨の状況を正しく知ることが可能です。 また、歯ぐきの奥の歯石もレントゲン写真には写ります。 歯石が歯ぐきの奥についたままにしていると、歯周病の治療の妨げになります。 もし、レントゲン写真なしで検査をすると、隠れて進行している歯周病を見逃してしまうこともありますので、重要な検査となっています

    写真撮影の画像

    おくちの中の写真を撮って、治療前の歯ぐきの色や腫れ具合や歯石の付き具合を記録します。 歯周病は骨を溶かす病気ですが、それとともに歯ぐきに腫れや赤み等の炎症を起こします。 レントゲン写真では、歯ぐきの中の状態を確認することができますが、実際の歯ぐきの色味や腫れ具合、歯並びや噛み合わせといった情報は確認ができません。 おくちの中の写真を撮ることで、こういった歯周病の状態を記録し、確認することが可能になります。 ご自身では普段見ることの出来ない、上の歯の周りの歯ぐきの状態や歯の裏側なども客観的に見ていただくことができます。 また治療前の状態を記録しておくことで、治療後と比較することができ、普段から気をつけてお手入れしていただきたい部分などをお伝えすることができたり、治療前に歯周病で炎症が起きている部分が治療をすすめるにつれて治ってきているかを後日確認することができます。 一般的な写真とは違い、キチンとした規格に基づき撮影するので、記録として残しておくと、定期健診の時もいつでも比較することが可能です。 歯周病の治療により歯ぐきの状態は毎日本当に少しずつ変化するので、記録しておいた写真を後々見ることで「最初はこんな状態だったの!?」と効果を実感しやすくなるのも、メリットのひとつかと思います。

    ポケット検査の画像

    専用の器具を使い、歯ぐきの溝(歯周ポケット)の深さを測ります。 歯周ポケットの深さや、検査時の出血の有無で歯周病の進行度や炎症の有無を知ることができます。 一般的に、健康だとされるポケットの深さは3mm以下とされており、4mm以上になると歯周病だと判断します。 歯周ポケットの深さは深ければ深いほど、歯周病が進行しているということになります。 歯周病のなかにも、軽度のものから重度のものまでさまざまあり、かなり進行してしまうと歯を残すことが難しくなる場合もあるので注意が必要です。

  • 2.歯石の除去、ブラッシング方法の確認

    スケーリングの画像

    歯と歯ぐきの境目に付着している、歯石や歯周病の原因となるバイオフィルムという汚れを取り除きます。 歯石やバイオフィルムは一度付着してしまうと、ブラッシングではなかなか除去することができません。 歯科医院で専用の器具を使って除去する必要があります。 歯石を除去するときには、「手用スケーラー」と「超音波スケーラー」という器具を、必要に応じて使い分けていきます。 歯石を取るさいに丁寧に施術していても出血する場合がありますが、歯ぐきを傷つけているわけではないのでご安心ください。 歯石が沈着している部分の歯ぐきは、炎症を起こしていたり弱っていることが多く、少しの刺激でも出血しやすいのです。 また「歯石をガリガリ取り除いて、歯は一緒に削れないの?」と思う方もいらっしゃると思います。 歯はとても硬い組織ですから、歯石の除去の器具では簡単には削れませんし、専門の知識を持った歯科衛生士が正しい力加減で行いますので心配ありません。

    アドバイスの画像

    一度歯石を取ってから今後新たな歯石がつきにくいように、正しいブラッシングの方法をアドバイスします。また歯ブラシのみのケアでは歯と歯の間の汚れは取れませんので歯間ブラシやデンタルフロスを使っていただくために、使い方やあなたに合ったサイズのアドバイスを行います。 一度ついてしまった歯石をハブラシでとることはできませんが、これから付着する歯石の量は、日々のブラッシングを改善することで減らすことが可能です。 ハブラシの持ち方や動かし方など、苦手な部分を細かくアドバイスさせていただきます。 得意不得意は一人ひとり違いますので、皆さんが無理なく行えるような、それぞれに合ったブラッシングをご提案していきたい、と当院では考えています。 またハブラシ選びのポイントや交換の目安など、今後気をつけて欲しいことについてもお話させていただき、ホームケアに活かしていただくようお願いしています。

  • 3.2の治療によりどれくらい歯周病が改善されたか再びポケットの検査をします。

    1の歯周病の検査で行ったように、再度歯周ポケットの検査をします。 再度歯周病検査をすることで、歯のまわりの歯周組織の炎症がどの程度改善されたか知ることができます。 また、歯磨きを正しくできているかどうかも引き続き評価していきます。 ブラッシングがまだ十分でない場合には、再度ブラッシング方法をアドバイスさせていただきます。

  • 4.歯茎の奥深くに歯石がついている場合は、取り除きます。

    SRPの画像

    歯周ポケットが深く、歯ぐきの奥深くにも歯石がついている場合には、その歯石を取り除く必要があります。 はじめの歯石除去では主に歯周ポケットの上の方の部分の歯石を取り除いています。 それによって歯ぐきの炎症が少しおさまり、歯ぐきの腫れも小さくなっていますので歯ぐきの奥深くの歯石が取りやすくなります。 歯ぐきの奥の見えない部分の歯石を取っていくときには少し痛みを感じることもあるため、必要に応じて麻酔をしてから行います。また歯ぐきの奥深くの歯石除去は見えない部分の治療になるためどうしても治療の時間や回数がかかります。

  • 5.治療終了 メンテナンスへ

    歯周病の治療が一旦終了したら、再発しないようにコントロールしていく必要があります。 歯周病は、再発の多い病気といわれているので、治療が一通り終わった後も注意が必要です。 一度歯周病で溶かされた骨は、完全に元には戻りません。 メンテナンスを怠ると、細菌が活動をはじめて歯周病が再発してしまいます。 深いポケットの中、重なって生えているところなど、お掃除の難しいところの細菌は家庭では除去することができませんが、歯科医院で専門的なクリーニングを行うことで、除去することができます。 歯科医院で定期的に歯石を取りながら、毎日のブラッシングも丁寧に行っていただくようにお願いしています。

    (症状や歯周病の進行具合により、4の後に外科手術を行う場合もあります。)